今日は。看護師あんこです。
看護師1年目。先輩看護師から教わったアナムネ。
そして一番嫌いだった仕事、面倒な仕事が私にとってアナムネでした。
集中治療室では、救急外来から患者さんが入院されるケースがほとんどでした。
現場で働いてから、すぐに先輩看護師と一緒に家族対応や病院説明を行いました。
そして、面会時間や面会方法の説明、弾性ストッキングの説明など、先輩の対応を見学して、真似たりしました。
ドイツ語の(anamnese)を語源としており、日本語訳では病歴という意味です。
病院によって、アナムネの用紙形式は異なると思いますが、基本的な内容は変わらないと思います。
名前、住所などの基本的情報に加え、患者さんの血液型、アレルギー、感染症、既往歴、家族構成、内服薬、救急搬送時の様子などが含まれる。
*その他、アナムネを取る際に病院の利用説明や義歯や貴重品等の持ち物の確認、契約書、病院説明、コストやオムツなどの説明対応などが沢山あり、対応と時間に追われます。
アナムネを取る看護師は、患者さんの情報収集をすることと同時に、家族ケアの役割りもあります。
アナムネを取る際、患者のご家族や親しい知人に会うこととなり、情報収集をする事と同時に、以下の点も私は同時に把握していきます。
- 家族の理解力
- コミュニケーション能力・表情・口調
- 家族の支援体制
家族の理解が得られるか否か、患者さんの病状説明や状況説明をする際に理解が得られるかの指標となります。特に医療の場合、医療や薬を知らない事も多いのでどの程度の説明で理解が得られるのかの判断材料となります。
患者さんを病院で診る場合、ICや病状説明など、家族対応があると見込まれます。病院と患者側との関係は、最悪の場合訴訟問題に発展する事もあります。医療は信頼関係で成り立っている所もあり、信頼関係構築の場合コミュニケーションが重要となります。その為、医療チーム側と家族側、お互いに円滑なコミュニケーションを取れるのかを見極めていきます。
家族の支援は患者にとって生き甲斐となったり、入院生活での励みとなります。家族が協力的であれば、医療側も治療方針などの相談が出来たり、患者さんの情報を得ることが出来たり、ご家族を含めて良い医療チームが構築出来ます。家族はどんな事に対して心配しているのか、注意を払っているのかもチェックし、悩みや相談事があれば都度、フォローしていくことが出来ます。
アナムネ対応のポイント
緊急入院の場合、患者さんのご家族は動揺したり、救急搬送の際に救急隊からの事情聴取を受けていたり、精神的にもかなり疲れているご家族も沢山いました。また、何度も同じ事を聞かれてイライラされているご家族が多くいらっしゃいます。質問事項に対して「受付の方にもう言いました」などとつき返されることもありますが、(受付に情報を聞くことも時間がかかるので)私はその場で再度聞いてしまいます。
ポイント1 聴取環境
アナムネは上記の内容的に、取り扱いに注意が必要な個人情報となります。現代は情報社会の為、個人情報となることは控えたいという人も沢山います。それは医療業界に対しても同じように考える方もいます。その為、他の患者さんやご家族に聞かれるような場所での聴取は控え、大きな声で話さないように心がけご家族が話しやすい環境を作る必要があります。
ポイント2 既往歴など病気に関する項目は漏らさずに聞く
アナムネの情報は医師・看護師など、医療従事者にとって治療に重要な情報が詰まっています。新人看護師の頃は、アナムネを作成後、この情報をもっと聞いておけば良かった。と思うことは多々ありました。特に既往歴の疾患の部分で、いつ頃から始まりどんな経過を経て今に至ったのか。現在も治療中なのか、完治しているのか、opeはしたのか。など色々な情報が必要となります。
新人の際、アナムネを取った患者さんの受け持ちになった時のことです。。
全身チェック、清拭を行った時、ある傷跡があり、明らかにope後の傷跡でした。opeの情報をとっておらず、何の目的で手術を行ったのか分からないことがありました。opeをするということは、取り除いたり、患部を開かなくてはいけない目的があった訳ですから、ある程度大きな疾患があったはずです。
手術後の傷ということは、何かの治療をした。という解釈になります。その病気に対する治療が終わっているのか、完治していないのか、薬は飲んでいるのか。手術は成功し、後遺症はないのか。もし、後遺症などが残っている場合、どこかの病院でフォローされているのか。など、患者さんの身体の状態を知らなければならない情報だったのでその大切な情報を取れなかったことがあった為、落胆したことがあります。その後は、既往歴の治療状況の情報漏れが無いよう必ず聞くようにしています。
ポイント3 時間意識
アナムネを取る新人の頃は、ご家族に気を遣ってしまい、「早く終わらせないと!」という思いが先走りすぎて、早く終わらせることが目標になってしまっていましたが、情報収集の漏れがあってからは意識を変えました。
救急のICUへの入院対応とは、以下の状況にあり、家族はとても疲弊している状況が多いです。
- 患者さんが重篤(患者本人から情報が取れないことが多い)
- 家族が一定時間しか病院に居ない=入院対応後、帰宅する=情報収集の時間が限られている
- 家族が精神的に疲弊している・感情的になっている・動揺している
ご家族の為にも出来る限り短時間で情報を取り、時間的・身体的負担が少ないようにアナムネの情報収集をする必要があります。事前準備としてアナムネの内容を把握し、どのように質問をしていくべきか言葉遣い・専門用語を使用しない表現の仕方などの準備をすると良いでしょう。
アナムネは入院生活で、医療チームが共有し、患者の背景を知ることの出来る重要な情報です。また、治療やコミュニケーションにも影響がでる事もありますので、ポイントを把握して行っていくことが重要です。